「実際に歩く際のガイダンス」
☆ アルナーチャラを中心にして右回り(時計回り)で歩く。(逆に回ってもギリプラダクシナとはみなされない。)
歩く際には基本的に道の右側は空けておき、「真ん中(行き交う車両に注意)~左側」を歩く・・・・・目に見えない聖賢や精霊などが道の右側をギリプラダクシナしているので、彼らの邪魔をしないように。
☆基本的には「裸足」歩行が望ましい。
・足裏を刺激し経絡の気の流れを活性化する。
・インドの大地からのエネルギーが供給され易くなり、「天・人・地」の垂直線の輪郭がよりリアルに感じやすくなる。
・途中の寺院などの参拝に際し履き物を脱ぐ手間が掛からない。
特にアルナチャレシュワラ大寺院では東門入り口から入場して、南門からそのまま退場できる・・・履き物は持ち込み禁止(荷物チェックがある)なので、東門周辺に履き物を預けた場合、退場にあたっては再び東門に戻らなくてはならないという手間が省ける。
・「13キロ半を裸足で歩く」というイメージが実際よりもかなり大変な、しんどい・辛い様相を想起させるが、実際には想像するほどの難行・苦行というわけではない(笑)
・普段履き慣れないサンダルで長距離歩くと、むしろ鼻緒ズレを起こしやすい・・・傾向もある。
・雨天の場合はサンダル履きよりも裸足の方が「水跳ね」を巻き上げ難くなる。
☆雨具(傘・レインコートなど)は使用しない・・のが原則
ギリプラダクシナとして歩くにあたっては、雨具を使用せず「濡れたまま」歩く・・のが不文律(理由は不明)。
実感としては、雨が降っている最中にこれから出発・・というのはいささか気力を要するが、「歩いている最中に降られる」のは案外気分が良かったりする(特に暑い時期には)。
もちろん適当な場所で「雨宿り」するのは構わないのだが、ずぶ濡れになってしまうと休憩している際に体温を奪われ寒く感じたりもするので、場合によっては敢えて休憩を取らずに一気に歩ききる・・という選択もある。
また雨が降り出すとバイクや自転車の通行量が激減するので、案外歩きやすくなったりもする(笑)
☆実施する時間帯について
古来から曜日や時間帯についてもあれこれと伝えられているが、21世紀の現代インドならではの現実的事情を十分考慮する必要がある。
1・昼間の時間帯の場合は天候にかなり左右される。
雨期入りする10月半ば位から酷暑季入りする3月半ば位までの間以外では、昼間に歩くのは熱中症の危険が増大する(特に酷暑季の昼は絶対に避けること)。
気温だけでなく路面温度も大変熱くなるので裸足では炎症を起こす可能性が高い。
2・深夜・早朝の場合は「治安状況」の危険度が増大する。
特に女性の「単独行」は出来るだけ避けることが望ましい。以前に比べると残念ながら治安状況は格段に悪化しており、外国人への強盗・痴漢暴漢被害も増大している傾向がある。
3・上記より導き出される妥当な時間配分は?・・・・・
ポイントとしては「ギリプラダクシナ・パス」(「ルートガイドPart2~4」で紹介)が人目が少なくなるゾーン(特にPart2)なので、防犯上の注意喚起が必要とされるため、このゾーンをなるべく明るいうちに通過することが望ましい。
という点を鑑みると、一応所要時間を4時間として・・・
・午前6~7時頃に出発して、10~11時頃に帰還する
(アシュラムの朝食を抜き、昼食までに戻る)。
・午後4時半~5時頃半頃に出発して8時半~9時半頃に帰還する
(アシュラムの「お茶の時間」の後に出発し、正門クローズまでに帰還する→日没までに「ギリプラダクシナ・パス」を通過するように歩く・・・ただし後半の「エーサニア・リンガム」近辺もやや人寂しい場所なので、状況により第3分岐点のところで「旧道」ではなく「新道」を行く選択もある→「ルートガイドPart6」参照)
ただしこれらの時間帯も「酷暑季(3月下旬~6月半ば)」では、気温&路面温度的にかなりシビアである。
例外として「満月の夜」は各地から大巡礼団が押し寄せてギリプラダクシナをするため、大きな人の流れの中を歩くことになり道に迷うこともない・・・ので、
この日は真夜中に単独行をしても殆ど問題はない(、ただし「どさくさに紛れてのスリや痴漢」に注意)が、当然ながら喧噪が激しく「歩く瞑想」としては全く期待できない。
☆ 危機管理への配慮
・強盗・痴漢暴漢
歩く時間帯を前述のように「暗くならない内に人気のないゾーンを通過」するように設定する。
女性はなるべく単独行を控え、信頼の置ける人と一緒に歩く。あるいはインド人の家族連れや女性のいるグループから離れない距離を保って歩く。
防犯アラームを携帯する(・・・及び昨今では外国人利用客の多いエージェントなどでは「催涙スプレー」なども入手できるようでもある)。
金目当ての単純な強盗?に遭遇した際に、すぐに相手に渡せる「それ用の金」を常備しておく(・・・のも一つのセキュリティ対策である)。
・交通事故
日本の常識は全く通用しない・・特に「歩行者優先」意識は全く持ち合わせていないことを絶対に忘れないようにして歩く。
全く想定外の「信じられないような」方向や位置関係で進入されたり急接近・すり抜けされるので(特にオートバイやオートリキシャ)、巻き込まれないように警戒する。
参考までに「インドの交通事情」の動画を是非ご覧ください!↓
・道路工事の穴・マンホールなど
日本の工事現場のような「安全対策」意識が浸透していないので、蓋が外れたままだったり、バリケードで囲っていなかったり・・というケースも珍しくない。
実際に夜間に歩いていてそれらに気づかず、足を取られて転倒し負傷した事例もあるので要注意。
・狂犬・毒蛇・サソリ・ムカデなど
インドには野良犬がたくさん居るだけでなく、飼い犬も基本的には「放し飼い」なので、歩いている最中に犬が近づいてくるのは当たり前の光景なのだが、中には「狂犬」もいて噛まれる事故も少なくない。
南インドは「毒蛇」の本場だけあって、ごくまれに遭遇するケースもあるのだが、大概の場合は人だかりがしていて「何かな?」と思って近づくと「毒蛇」が悠然と移動中・・というパターンである。ただしやはり「噛まれた」事件もないわけではないので、路肩の茂みなどには注意を要する。
サソリとムカデは、ちょろちょろと路面を這っていることがしばしばある・・・刺されても命に関わるようなものではないが、裸足で歩く場合はうっかり踏みつけないように注意する。
・路面に落ちているゴミ・・トゲ・ガラス片・剃刀替刃・注射針など
裸足で歩くにあたってもっとも厄介なのが、これらの路上に散乱しているあれこれである(上記サソリ・ムカデも含めて)。
街路灯が整備され行き交う車両のライトもあって、昨今では「路面が真っ暗」になることはあまりないが、新月時分に「区間停電」があったりすると、足下が見えない状況になることもある。
基本的に乾燥している地域のため、この辺の植物には「トゲのある」種類が多いため、路上に枯れ枝などが落ちているのを迂闊に踏むとトゲが刺さる次第。
木のトゲは処置も簡単だが、更に厄介なのはガラス片・カミソリ替え刃・注射針など・・・も落ちているケースがあり(特に「街中の生活圏」)、これは踏みつけるとダメージが大きくなりかねないので十分に注意すること。
大概は路肩寄りに多く落ちているから、そこを避けるような進路をとるのが基本だが、離れすぎると車両がビュンビュン飛ばしていて危険・・・というジレンマを抱えて歩くことになる(笑)
・満月・ディワリ祭・選挙・葬列など
ディワリ祭はホーリー祭と並んで全インド的なお祭りであるが、あちこちで花火があがるだけでなく爆竹も盛んである。こんな時に「のこのこ歩いている外国人」は格好の標的とされ、あちこちから爆竹が飛んできたりする。
また祭りだけでなく選挙などもうっかりするとエキサイトして暴動もどきが発生するケースもあるため、外国人は警戒した方がよい。
また葬列もインドの場合は、楽隊を雇って爆竹を鳴らしながら進む派手なイベントになるケースが多く、これも外国人は「ちょっかい」を受けることがままある。
「ルートガイド」でも紹介したように、ギリプラダクシナのルート上には「選挙会場」となる中学校と2カ所の焼き場&墓地があるので、これらの行事と重なる日は十分に注意する。
☆ 所持品
・「飲み水」・・・適宜、もし途中で切れてもルート上にある雑貨屋などでミネラルウオーターを買うことが出来る。
・「懐中電灯」・・・街路灯が整備されているのであまり必要性は感じないが、新月時に「区間停電」に遭遇するケースもあり、その際に足元を照らすのにあると便利ではある(特に裸足の場合)。
・「リタイア用オートリキシャ代金」・・・途上で予期せぬアクシデントに遭遇しリタイアする場合に必要となる。大体200~500ルピーあれば最も遠方の「バガヴァン橋」からでもアシュラムまで送ってくれるだろう。
・「地図」・・・アシュラムの本屋さんで購入できる。もしくはこちらからプリントアウトして下さい→
・「犬対策用ビスケット」・・・別に「ビスケット」に限らないが、犬に吠えかかられたりした際にちょっとした「食べ物」で仲良くなれる(笑)
・「防犯アラーム」・・・特に女性は持ち歩いたほうが良い、できるだけ「派手で大音量」なタイプをお勧めする。
・「反射テープ」類・・・必需品ではないがインドは日本と同様に「車は左車線通行」のため、ギリプラダクシナとして「道の左側を歩く」場合、背後から車が接近してくることがメインとなるので、着用すると夜道での「存在のアピール」に役に立つ。
・「消毒液・バンドエイド」類・・・裸足で歩いていて棘を踏んだりした際の応急処置用。マメや鼻緒ズレが出来てしまった際にも有効。
☆歩く時の服装
これも正式には古来からのしきたりがあるようだが(男性の場合「白いドーティに上半身裸・聖灰を塗りルドラクシャを付ける・・」など)、実際には外国人であり非ヒンドゥである我々は特にそれを順守する必要はない。
天候状況を考慮して「歩きやすい(&雨に降られても構わない)」格好であれば良いのだが、一応寺社仏閣に参拝する巡礼路でもあるから、常識的に「不敬」にあたらない格好で歩くこと(服装を理由に「入場拒否」されるケースもある)。
特に女性は「痴漢・暴漢」対策の点からも、出来るだけ「露出の少ない」服装が望ましい。
☆トイレ問題
男性の場合は特に問題にならないことであろうが、女性の場合はさてどうしたものか?
大寺院周辺など一部には「公衆トイレ」もあるが、ルート全般的には殆どない・・・町中以外なら夜間であれば「どこかの茂みで素早く用を足す」というのも現実的な選択でもある(多くのインド人女性はそうしている)。
おおよその所要時間は4時間なので個人差はあるだろうが、「出発直前に用を足しておけばなんとかなる」・・かもしれない。
☆「歩かない?」ギリプラダクシナ
歩いてこそのギリプラダクシナであるが、どうしても状況的に無理な事情がある場合は、「乗り物」を利用して周回する・・・方法もある。
自転車だと約1時間・・・自転車で走ると「それなりに道に勾配がある」ことが実感できる。
自転車やオートバイを借りて走る際は、交通事情に十分注意すること(進路など「相手が譲ってくれる」とは絶対に期待してはならない)。
オートリキシャで1周する・・・というのも割合ポピュラーな方法である。
料金は事前交渉するが、外国人として「酒手をはずめば」ドライバーも上機嫌であれこれ「主要ポイントのガイド」もしてくれるだろう。
その際に「一部区間だけでも歩く」というやり方もある・・・この場合ドライバーに待ち合わせ場所を指定して先行して待っていてもらうことになるが、
当然ながら「料金前払い」は禁物(笑)、あくまで最終の「ゴール地点で事前に交渉した料金を払う」こと。
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アシュラムの本屋さんで販売されているパンフレット |
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ラマナがアルナーチャラ及びギリプラダクシナについて言及された数々のお言葉の中の一つ。 |
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ティルヴァンナマライの中心である「アルナチャレシュワラ大寺院」の平面図。 インド最大級のシヴァ寺院である。 |
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ギリプラダクシナの曜日ごとのご利益? |
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裏側はこのような地図となっているが、縮尺は正確ではない。 |
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これもアシュラム本屋さんで買えるガイドブック。
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中身・・・かなり詳しく解説されているので、英語に堪能な方なら随分と役に立つだろう。 |
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当サイトでは割愛・省略した各寺社仏閣・祠などについても詳しく解説されている。
もっとも「写真の掲載点数」では当サイトの方が多い(笑) |
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グーグルマップ。オレンジ色がアウタールート。 その他のラインはインナールートを示している。 インナールートの解説も掲載されている。
ただし2015年現在、インナールートは「立ち入り禁止」なので進入しないように!!→
裏側には4つ上で紹介したのと同じ「絵地図」が掲載されている。 |
「アウタールートガイド」終了