「真理のみ」 (原題 「THE TRUTH IS」)

 

〜SRI H.W.L.POONJA

崎山綾子翻訳

 

 

 

第2章 サットグル:真のグル  ☆Part1

 

(サイト管理者より・・・・画面構成の都合上、章全体を複数ページに分割して掲載します。用語解説は各ページ末に収録)

☆Part2☆Part3☆Part4

 

  

    

   真我がサットグルだ。

  内なるものがあなたを助けてくれる。

  あなたの真の案内者は内に、

  知恵と知識は内に。

  しかしあなたの先入観のためにそれを見ることができない。

  サットグルは内に。

  「それ」だけを瞑想しなさい。

 

  サットグルは他の何よりも偉大だ、

  神でさえもかなわない。

  サットグルは真理−気づき−至福。

  サットグルは太陽、                                            

  サットグルを見つけたらあなたの松明はもういらない。

 

  あなたは内なる真我の言葉を理解することができないので、

  サットグルが外なるグルとして現れる。                                 

  あなたが自分は肉体だと考えているなら、肉体を持ったグルが必要だ。

  あなたに平和を与えてくれる聖人と一緒にいなさい。

  彼はサンサーラという砂漠の中で、

  涼しい木陰を与える大樹のようなものだ。

 

  このグルは羊のようなエゴの屠殺者だ。

  グルの役目は私はあなたの内にいると教えて、

  あなたは存在―意識―至福だと確信させることだ。

  真のグルは誰でもこう言うに違いない:

  「内を見なさい、あなたと真我とグルの間には何の違いもない。」

  既にそこにあって、いつでも手に入れることができる

  宝物のありかをグルは教えてくれる。

 

  真のグルかどうかは頭の上のダイヤモンドや、弟子の数では判断できない。

  真のグルというのは、

  その人の現存があなたに平和を与え、

  欲望や執着や切望を取り除く人だということを知っていなさい。

  *1ジニャーニの松明の火は偽りの確信でできた家屋を完全に燃やしてしまう。

  しかし、*2カビールの言うように誰もこの火をありがたく受取る人はいない。

 

  グルは真理を知っている。

  この真理を、謙虚な弟子達に伝達する。

  目での一瞥、手で触ること、思考、

  あるいはアルナーチャラのように沈黙によって、真理を伝達する。

  この沈黙が不動の光だ。

 

  真のグルには弟子はいない、

  全てが「存在」であり、沈黙だけが話す。

  完璧なグルには教えることがない。

  なぜなら彼は、あなたはすでに自由だと知っているからだ。

  真のグルの「教えでない教え」は、「グルなし、弟子なし、教えなし」、

  「何もかつて存在したものはない」、この教えを言葉なしで伝えねばならない。

  この教えを言葉なしにあなたのハートに植え付けねばならない。

  もしあなたがそれを理解しようとしたら、

  それは頭の中に植え付けられることになる。

 

  真のグルは名前や形や概念を取り除く。

  説教師はあなたの首に縄をかけて捕らえようと、

  それらをもっと付け加えていく。

  説教師は死肉に集まる禿鷹のようにあなたにしがみつく。

  真のグルはそれぞれの弟子達が吸収することができるものを教えて送り返す。

 

  だからあなたはグルをテストしなければいけない。

  グルの系列を調べなさい。これは大変重要だ。

  グルの弟子への解答は、

  実質的な経験をあなたに与えることによって返答されるべきだ。

  聖者はマインドからではなく、無から答を出すからだ。

  マインドとマインドの付き合いには、どんな価値も美しさもない。

 

  真我に近づくことは、危険に瀕して歩いているようなものだ。

  二人は一緒には行けない。

  マインドや思考でさえも連れて行くことはできない、

  唯一あなたを助けてくれるのは真我だ。

  この「炎」に触れたものは全て「炎」になるように、

  聖者に触れて聖者になる。

  真我を知ると真我だけを見る。

  この真我があなたの真のグルだ。

 

  最終的にはあなたのグルとあなた自身、両方の名前と姿を取り除かねばならない。

  月を見たいなら、月を指し示している指にとどまるべきではない。

  名前と形のあるところには偽りがある。

  目に見えるものは何も自由を与えることができないのだから、

  名前と形は自由への障害となる。

  溺れかけているときは真我だけを掴みなさい、

  他のものを掴むと死ぬだけだ。

  サットグルは内に、「それ」だけを瞑想しなさい。

  真のグルは真我、

  他の全ては真我を指し示す指だ。 

  五つの要素でできたものに執着しないこと。

  グルは目に見えようが見えまいが肉体ではない。

  どんな肉体にも依存しないことだ、

  それらは真理を指差している指にすぎないのだから。

  グルはあなた「自身」だ。

  エゴ自身ではなく、「今、ここ」にある「あなたの真我」だ。

  グルの姿を拒絶したら、至高のものだけが残る。

 

  あなた自身の真我を失うということは不可能だ。

  グルによってあなたは誰かと知らされることが必要なだけだ。

  このパイロットは愛と美で、この自由がマスターだ。

  ただ静かに座っていなさい、全てはうまくいく。

    

 

 

Q:グルとは何ですか。

    

   文字どうりの意味は「暗闇を取り除く人」という意味だ。グルはあなたのハートを開いて、光を見せてくれる「それ」だ。グルは知恵と光そのものだ。

 

 

:どのようにして真のマスターを見分けるのですか?

 

 真のマスターは彼の言葉や行為を通して見分けることはできない。しかしあなたのマインドは彼のまわりにいると静かになるだろう。マスターとしてのしるしや徴候が言い伝えられているが、真のマスターにはどんな徴候もない。ともかく彼はメッセージを言葉なしに伝えることができる。

    

 

 

Q:真我を実現するためにはグル、生きたグルが必要ですか?

                   

 生きたグルの恩寵なしに真我を実現することはできない。あなたが身体の中にいるのなら肉体を持ったグルが必要だ。さもなければグルは内在しているがあなたはその言語を理解できない。だから肉体を持った探求者には肉体を持ったグルが必要だ。そうして、対話を通じて探求者の疑問が取り除かれる。そして、探求者はグルが内にいることを理解する。

 

   「グルはあなたの内にいる」と教えるために、グルが外に必要だ。

 

グルはあなたの内なる無形性であなたもまた形の無いものだ。もしこれを知っているのなら、肉体を持ったグルは必要ない。幸運にもあなたが肉体を持った真のグルを探し出したのなら、決してこのチャンスを逃がすものではない。

    

 

 

Q:肉体を持たないマスターは、私のマスターになるべきパワーを持っていますか?

    

  もしあなたが肉体を持たないマスターの言うことを聞くことができるだけのパワーを持っているのなら、肉体を持ったマスターは必要ない。マスターはいつもそこに肉体なしでいるのだから。「それ」はあなたを通じて話している。「それ」はあなたのハートの中にいる。彼の言うことに耳を傾けないのかね?  あなたの内で教えている、姿の無いマスターの言うことを聞かないのかね?

    

 

Q:はい、聞いています。

    

  もし聞いていたなら、このような質問をするはずがない。

    

 

 

Q:生きたグルを持たない、キリスト教徒や仏教徒はどうなるのですか?

    

  西洋にいようが東洋にいようが、あなたは生きたグルを見つけなければならない。そしてそのグルをテストしなさい。そのグルの現存がマインドを静かにさせるのなら、そのグルに従いなさい。一緒にいなさい。あなたは肉体だと考えるなら、あなたを助けるために肉体を持ったグルが必要だ。

 自由になりたいという強烈な欲望を持っている人は、真のグルを見つけることができる。私の場合がそうだが、グルがあなたの戸口にやって来るのだ。私は他のどんな欲望もかなわないほどの一つの強烈な欲望を持っていたからだ。

    

 

 

Q:*3ラマナ・マハルシのように、ある人は肉体を持ったグルなしに真理を見つけることができたのはどうしてですか?

    

  ラマナ・マハルシもまた、非常に大きな体格をしたグルを持っていたのだよ(笑)。それはアルナーチャラだ。グルはどんな形もとることができる。アルナーチャラは沈黙そのもので、不動だ。これらは真のグルの徴候だ。真のグルは言葉では教えない。言葉では真理を伝えることはできないからだ。マハルシも又アルナーチャラのように、沈黙の中で教えた。多くの他のグルは昼夜、犬のように吠えている。

 

  あなたが静かで、平和であるなら、この平和があなた自身のグルだ。

  「それ」はあなたの内を除いてどこにも見つけることはできない。

 

これが私たちが、*4オーム、*5シャンティ、シャンティ、シャティと唱えてサットサンガを始める理由だ。マインドから生じる疑問を取り除くために、あなたはここで質問することができる。しかしこれは単なるおしゃべりではない。疑いがないとき、あなたは平和になる。

 

 

Q:グルを2人持つことができますか?  それとも一人を選ばなければなりませんか?

    

全てがあなたのグルだ。岩は沈黙を教えてくれる。木は慈愛を、風は執着しないことを教えてくれる。グル、講師、心理学者、好きなだけ持つことができるが、あなたにとってサットグルは一人しかいない。どのようにしてこのグルに会うのか?  エゴなしでだ。

 

  サットグルはあなた自身の真我の内にいる、

  他のどこにもいない。

  あなたのサットグルはあなたのハートに住んでいる、

  すべての存在のハートに住んでいる。

  内なるグルの言葉を理解することができないので、

  彼の恩寵として外に姿を現し、内を見るようにと教える。

  マハルシはいつも言っていたものだ、「真のグルは内に……」

 

多くのグルはこの事について話さないで、彼らの写真だけを持っているように強制する。これらのグルからは心の平和を得ることはない。とにかく、ラマナアシュラムに行ってラマナのホールに座るだけで、平和がそれ自身であなたのところにやって来るだろう。

 

 

次ページ(Part2)に続く

 

 

用語解説

 

*1ジニャーニ  智慧そのものの人、悟りを開いた人。

*2カビール   (1440-1518) インド、バナラシの聖人

 *3ラマナ・マハルシ  (1879-1950) パパジのグル、現代の最も重要な聖人の一人。アルナーチャラの山麓で生涯

        を過ごし、彼の革新的自問の方法を学ぶ為に世界中の探求者がやってきた。

*4オーム  そこから全ての創造がおこる根源的な音

*5シャンティ 平和

 

 

 

 

←目次に戻る

 

前の記事に戻る→←次の記事に進む