「真理のみ」 (原題 「THE TRUTH IS」)

 

〜SRI H.W.L.POONJA

崎山綾子翻訳

 

 

 

第2章 サットグル:真のグル  ☆Part3

 

(サイト管理者より・・・・画面構成の都合上、章全体を複数ページに分割して掲載します。用語解説は各ページ末に収録)

 ☆Part☆Part☆Part4

 

 

前ページ(Part2)からの続き・・・

 

 

 

Q:平和を見つける為に、あなたの前に座ってあなたの目を見つめても宜しいでしょうか?

   

  その人の目を見つめたら平和と休息を見つけられると誰があなたに教えたのかね? それには真実味がある。マインドが静かな人の目を見つめると、あなたもまたあなた「自身」の中に平和を見つけることができる。マインドが不動な人の目を見つめるか、その人のハートを見入るかどちらかだ。そうしてあなたのマインドは静かになる。あなたは平和を見つけることができるだろう。

 

この目に引き付けられて、他のものを見るのを忘れてしまう。今度はあなたの目を、あなたの目の後ろを見つめてごらん。外側の対象物でなく目の後ろを見てごらん。そうすると、どのようにして静かにしていられるかという「コツ」を見つけることができる。

 

 

 

Q:西洋に帰ると古い習癖が又戻って来る、と考えるのはマインドの罠ですか?  どのようにマスターの現存が「自由であること」を助けるのでしょうか?

   

 

 西洋に帰ると心の平和が乱されるとどうして考えるのか?  あなたがここにやって来たときは不安があった。今あなたは平和を知っている。平和をあなたとして持って帰りなさい。

 

誰もこの平和を乱すことはできない。「これ」や「あれ」を望むことで、あなた自身の平和をかき乱すのはあなたなのだ。今これを試してごらん。あなたの平和は決して乱されることはなく、あなたはいつもサットサンガにいるだろう。

 

真に幸運な人だけがサットサンガにやって来る。何億年もの間、何世にも渡ってサットサンガを熱望していたに違いない。その間に苦行や修業をしたに違いない。だから今この平和を勝ち得るのだ。そのために相応しい年齢だ。あなたはサットサンガでは非常に若い年代だ。これは珍しいことだ。

 

 

 

Q:イエスキリストが生きているのと同じような意味で、ラマナ・マハルシはまだ生きていますか?

   

  ラマナ・マハルシは生きている。これは信じることではなく真実だ。何も創造されなかったし、何も消滅したものもない。全てがいつもここにある。

 

目覚めた人だけがこれを見ることができる。全ての存在はまだ「ここ」にいる。それらは決して消えることはない。どこに行くことができるのだ?  それらは「ここ」にとどまっている。全宇宙の全存在はあなたのハートの中に存在している。他に存在するところはない。

 

  ハートそのものの中に全ては存在し続ける。

  あなたのハート以外に何もない。

  宇宙の中の全てのもの、始まりから終わりまで、山脈から流星まで、

  全てはあなたのハートの中の点にすぎない。

  あなたも「ここ」にいる、全ては常に存在する、これが究極の知識だ。

  創造はない、保存はない、破壊はない。

  創造者が現れる以前からそれはあるがままにあったし、

  あるがままにあり続けるだろう。

  創造者はこのハートの本質から生まれて来るのだ。

 

 

(パパジはアメリカからの長い手紙を読んでいる。自由に向けての何年もの葛藤、自由にもっと近づくために環境を変えようと試みている人の話だ)

 

私が今読んだ手紙に対する私の意見は、自由でありたいという切望が内から湧き上がって来ているが、まわりの環境がそれを許さないので環境を変えたということだ。

 

彼は、真のグルの近くにいて学ぶということをしたことがない。これ以外のことは全てやり遂げた。そして今は砂漠や僧や尼僧に執着している。あなたはどこでも好きなところに住むことができる。山と街になぜ区別をつけるのか、なぜ違いがあるべきなのか?  違いがあるのは、マインドがあなたを騙しているからだ。

 

街のど真ん中で静かにしていることはできるが、ヒマラヤの洞窟では静かにしていることができないかもしれない。環境のことは忘れてしまいなさい。

 

  あなたの人生で、愛と平和を知っている人、

  それを手渡してくれる人と一緒にいるのがよい、

  このマスターは、人生の荒波を乗り切ってあなたを運ぶ筏だ。

  筏なしで人生の荒波を越えていくのは簡単ではない。

  山中であろうが家の中であろうが、瞑想で時間を無駄にしないこと。

  その代わり、マスターのところに行きなさい。

  マスターが筏だ、それがあなたの面倒を見てくれる。

  唯一筏があなたを運ぶ、瞑想や努力はあなたをどこへも運ばない。

  この筏がマスターだ、この事を知りなさい。

  時間を無駄にしないこと、彼自身の真我を知っているその人を探しなさい。

  その人は、あなたの全く知らないことを教えることができる。

 

  今がその時だ、この機会を無駄にしないこと。

  ここでは私は瞑想や修練を教えない。

  ただ、静かにしていなさい。

  一瞬でよい、静かにしていなさい。

  マインドの坩堝をかき混ぜないこと。

 

一瞬のフィンガースナップで目覚めないのなら、私の前に来てこの公式はあなたには適さないといいなさい。ここに来て私と顔を突き合わせてごらん。そうすると「静かに座ったことがないので、愛と平和にあったことがない」ということはできない。この挑戦は全ての人にオープンだ。今日、明日、明後日……。

 

 

 

Q:あなたがラマナ・マハルシに逢った時、目覚めるのに殆ど時間はかからなかったと聞きました。

ラマナ・マハルシの一瞥であなたは自由になったというのは本当ですか?  その時のグルの伝達力の本質は何ですか?

   

 

マハルシは、いつも目を開けたままホールに座っていた。特に誰を見るというのでもない、彼の目は空っぽであった。私が彼の前に座った時、彼は他の誰でもなく私だけを見つめていた。この一瞥は恩寵だ。恩寵は、グルの恩寵を最も必要としている人の上に注がれる。

 

ウパニシャッドに書かれているように、一瞥で十分だ。グルからの一瞥、一触れ、一言で十分だ。マントラを唱えたり、瞑想したり、修練したりする必要は何もない。しかしあなたは神聖であらねばならない。その時、この一瞥は目の後ろに焼き付くだろう。その時、全身が沈黙と愛の中で光り輝く。

 

ラマナ・マハルシのその一瞥は、世界中のもっとも偉大な聖者や賢者の目とは比べ物にはならない。それが真我から真我への一瞥だ。だから、もし賢者があなたを一瞥したなら、この世に生まれて来た目的は達したのと同じだ。カビールはこう言っている:

 

  人間の姿をして、この世に生まれて来るというのは大変な祝福だ。   

  だから、死ぬ前に今世で真理を悟るのだと決心しなさい。

  なぜ今世、なぜ今日ではないのか?  なぜ今日だ、なぜ今ではないのか?

  急がないと、肉体からこの鳥が飛び去ってしまったら後悔するに違いない。

 

 

 

Q:私はマナリの山をとても愛していますが、山はあなたと一緒にいることに比べたら比べものになりません。あなたの近くにいると、真我探求や神への愛の深さを非常に強く感じます。神、グル、真我は同じだと経典では言っていますが、この祝福された三位一体の秘密を明かして下さいますか?

   

 

 *1ヴェーダでは神、グル、真我は同じだと書かれているのを私は知っている。しかし、グルを通じてのみ神や真我を知ることができるのだから、私はグルが神や真我より高い位置にいると信じている。ここで王の調髪師であった男の話をしよう。

  

この男は毎朝8時に王のところに行き、マッサージをし、髭を剃った。ある朝、いつものように彼が王のところに行こうとしているとき、彼のグルが訪ねて来た。彼は喜んでグルの身体を洗い、朝食と昼食を用意した。彼はすっかり王のところに行くのを忘れてしまった。

 

グルを十分にもてなし、世話をした後で、彼は王を思い出した。「グルジ、私は王のところに行って王の足をマッサージしなければなりません。王はリューマチもちで2時間のマッサージなしでは宮廷へ行くことはできません。今日、私は大変遅れてしまったので王は怒っているかもしれません。王が私を罰して、私は二度とここに戻って来れないかもしれません」

グルは答えて、「さあ、行きなさい。しかし夕方には戻って来てお茶を入れて下さい」

 

 

そうして彼は宮殿に向かった。彼が宮殿の門を入ると上官がにこにこして彼に微笑んだ。そして王の前に行ったら、王は膝まづいてお辞儀をした。「どうか殿下、私にお辞儀などしないでください。これは罰よりも辛いものです。あなたが私を殺しても構いませんが、あなたが私にお辞儀をするという辱しめは我慢ができません」。

 

王は説明した。「今朝のマッサージは非常によく効いて、何十年来初めて助けなしに一人で歩くことができた。私の足は治ったのだ。ダイヤモンドのネックレスを褒美にあげようとしたが、お前は既に帰ってしまったあとだった。」

 

この調髪師は敬礼していった、「親愛なる王様、長い間あなたにお仕えしましたが、今日でおいとまいたします。これからは私のグルに仕えたいと思います。」そうして、彼は残りの人生をグルと一緒に過ごした。

 

そう、私はグルを一番におきたい。そして真我、神だ。この事をあなたはここで学ぶだろう。

 

 

次ページ(Part4)に続く

 

 

用語解説

*1ヴェーダ 最古のヒンディー教典

 

 

 

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