「真理のみ」 (原題 「THE TRUTH IS」)

 

~SRI H.W.L.POONJA

崎山綾子翻訳

 

 

 

第9章 世界は幻想 ☆Part4

 

(サイト管理者より・・・・画面構成の都合上、章全体を複数ページに分割して掲載します。用語解説は各ページ末に収録)

☆Part1☆Part2☆Part3☆Part5

 

 

 

 

 

前ページ(Part3)からの続き・・・・

 

 

夢:幻想の本質

 

 

Q:パパジ、すべてが私の内にあって、外側は存在しないという経験をしました。

  

 これは非常によい経験だ。あなたが20階建てのアパートのビルディングの一室に住んでいて、そこで眠っていると仮定しよう。

 野生の象があなたに向かってやって来るという夢を見ている。山や川や森も見ている。これらのすべての事はどこにある? 外側にあるのかな? 

 そうではない、それらは内側にある。内側のマインドの投影だ。最初に空間が投影される、外側、内側、そして時間が投影される。次にエゴが投影されて、あなたが見ているものは実在すると信じ始める。しかし目を覚ますや否や、象や他のすべてが消えてしまう。

 まさにこれと同じように、この目覚めの現実も又あなたが「目覚めた」とき、消えてなくなってしまう。この現実は消えてしまうだろう。夢は実在しているように見えたが、この目覚めの状態は夢よりもっと実在しているように見えるものだ。それ故にあなたの経験は非常に美しいものだ。

  

 

Q:私の夜の夢は絶えず変わり続けるのに、目覚めの状態であるこの世界という夢は変わらないのはなぜですか?

  

 その両方共が変わっている。その違いは毎夜夢を見ている間は、それが変わっていると言わない。目を覚ましたときに一つの夢から他の夢へ変わったと知ることができる。

 目覚めの状態という夢も又変わる。今日は明日や昨日よりも違っている。目覚めの状態が実在するように見えるのはあなたがそれを実在だというためだ。その実在に対して確信を持っているためだ。

 しかし、夢を見ている間、あなたは夢を夢と呼ばない。唯一目を覚まして初めて一つの夢が終わり他の夢に変わったと知るのだ。夜の夢で川や山や人々を見る。

 目覚めの状態でも同じものを夢見るのだから一つは実在して他方は実在していないとどうして言えるのかね? 目覚めの現実に対する確信があるので実在すると言うのだ。

 しかし、もしそれを「夢だ」と言ってこれに確信を持ったらそれは夢になる。

 

 あなたは夢を見ている人を見ないが、今、あなた自身の創造物にすぎない夢見る人を見なさい。

 夢を見ている人と夢とは別々のものだから、今、誰が夢を見ているのか見つけだしなさい。真理は夢を見ている人と夢と夢の中の対象はすべて同じだ。さて、誰が夢を見たのか? 誰が夢を見ているのか? 見つけだしなさい。夢を見た「私」を見つけだしなさい。今これを見つけなさい。

 そうすると、目覚め、夢見、眠りが消えてしまうだろう。あなたが言う実在は実在ではない。

 

 

Q:私達の夢から何を学ぶことができますか

  

 これが幻想の本質だと学びなさい。名前や形のすべてから目を覚まさなければならない。すべては一時的な想像物でしかないと言うことを学びなさい。

 

 

Q:パパジ、昨夜非常に強烈な夢を見ました。夢について話して下さいますか。私の夢の中に10人の殺し屋が現れました。

  

 雲が雨が降るのを知らせてくれるように、夢は何かが起ころうとしていることを知らせてくれる。又夢は何が起こったか知らせてくれる。夢は目覚めの状態で満たされなかった活動が夢として現れるからだ。 たとえば、目覚めの状態であなたが打たれたなら、夢の中で復讐を試みるだろう。本当の事を言えば、目覚めの状態を平和に過ごした事がないのですべての人が夢を見るのだ。

 もし平和に過ごしたなら、サンサーラと呼ばれる夢の中に再び現れることはない。サンサーラの中にいるすべての人は多くの夢を見た、何億年にも値する人生の記憶がマインドの中に蓄積されているのだ。今、彼らは夢を見ることを止めることはできない。

 自由への熱望と幸運があればあなたはそれを止めることができる。そうすると、夢と目覚めの状態の違いを教えてくれるマスターに出会うことになる。そうして、すべての人が眠っていてあなたは目覚めていると分かるだろう。

 眠っているということは、あなたの本当の真我に気づいていないということだ。目覚めているとは実在に、意識に、真理に、目覚めているということだ。

 他の人が目覚めているものに対して眠るのだ。人々は性欲や興味や人や概念に目覚めている。これらのものと何の関係も持たないでいなさい。それらに対して眠っていなさい。

 これが本当の目覚め、夢見、眠りの間の違いだ。あなたの夢の中に現れた殺し屋は感覚だ。目はあなたを騙し、あなたが耳にするものは役に立たない。臭いも、触れることも、味覚も同じ事だ。

 しかし真理を知っているなら、感覚はその力を失くす。もし目の対象物は実在しないと知っていたら、それらは何の影響もあなたに与えない。称賛を聞こうが、叱責を聞こうが問題ではない。 香水と腐敗の臭いの間には、何の違いもなくなる。あなたが誰かを知ったとき、これらの殺し屋、敵はその強さをなくしてしまう。あなたの探索を完成させなさい。早い方がよいに決まっている。

 

  単に静かにしていなさい、何が起ころうとも完璧だ。

  それは始まりの前「ここ」にいた「それ」の終わりのないゲームだ。

  それは創造者の夢だ。

  楽しんでいる人のマジックであり、

  その楽しんでいる人の夢の中で、我々は対象だ。

 

 

 

 

次ページ(Part5-a)に続く

 

 

 

 

 

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