第4部・ギリプラダクシナ実践体験のあれこれ

 

☆Part1 ☆Part3☆Part4

 

 

 

Part2   M・Mさんの滞在日記ブログ記事より

 

 

 

 


 

2011-07-31

 

 

昨夜ついにギリプラダクシナ決行!

やっぱり鈴木先生に先達をお願いし、後ろをちょろちょろとついていきました。夕方5:45出発、持ち物は、水とクッキーともうダメだ~となった時の為にサンダル。


この行為は「歩く瞑想」と呼ばれています。山の形は歩くにつれて様々に変化し、今まで見てなかった表情に変わっていくのも発見。

また、山の八方の道沿いには「リンガム」というシヴァ神の象徴が祀られていて、それを拝みながらいきます。


鈴木さんは飄々としていて、それでいてどことなくおかしみを感じさせる方。歩きながらいろんな話をしてくださいました。

インドはもともと、アフリカ大陸にくっついていた土地。それがアフリカ大陸から離れてユーラシア大陸にぶつかった時、プレートの境目で隆起してできたのがヒマラヤ山脈。

だけど、地質学的に言うとアルナーチャラは、そのヒマラヤ以前にもうすでに存在していた山らしい…。

 (きゃーっヽ(≧▽≦)/ワクワクします)

インドに来てから、私はすっかり「紀元前の話」に弱いです(笑)


あとは、これに笑えました

「最近は日本の四国のお遍路さんも大型バスで廻るみたいだけど、インド人のアルナーチャラ周りも車でまわって要所要所で拝んでいったりしてるよ。よっぽど外国人の方が裸足で歩いているんじゃないかなあ。」


あと、結構速いペースで歩かれるので「妊娠9ヵ月目の王妃のようじゃないですね」と訊ねたら、

「あれはね前段があって、あるお年寄りがラマナにこう尋ねたの。

私は老いていますが、どうしてもギリプラダクシナをした方が良いでしょうか?

その答えとして、"妊娠9ヵ月目の王妃"のように行きなさい(そのくらいの気持ちでゆっくり歩けばいいよ)。その意味の言葉が変化したらしいんだよね」

Σ( ̄□ ̄)!…今まで、むっちゃ意識してたのに…(笑)


そんなこんなで途中休みながらも歩くこと3時間。

着いたのは、この前写真を載せた大寺院!本来はこの寺院がギリプラダクシナの出発点。

敷地の中に入って長めの休憩です。すでに日は暮れてライトアップされた大寺院のゴープラム(塔)が目の前にそびえ立っています。

うわっ!…たくさんの彫刻がライトに浮き上がり、こちらに覆い被さり迫ってくるような大迫力。


人間の果てしない想像力とそれを造り上げてしまった人たちへ、ただただ畏敬の念を感じるばかり。

ああ、寺院内はカメラ類持ち込み禁止なんです・・みんなにも見せてあげたいよ~(>_<)。


しかしながらここがゴールではないので、仕方なくラストウォーキング再開!

と…休んだら…足の裏の疲労と痛みが…増してる…あせるあせる。

 それからの歩きは"妊娠9ヵ月"以上のものとなり…"王妃"ではない何者かに変身してました(笑)


でも、(ここまで来ておいてサンダルなんか履くもんか)、私の中の男気がそう申すので、聞かないわけにはいきません。

歩くこと四時間・・ついに!無事、アシュラム正面ゲート到着。やった~!!良かった~!! 初、ギリプラダクシナ完歩、よく頑張りました。


昨夜は、とてつもなく深い眠りに落ちました・・・。

 

 

2011-08-05

 

 

朝6:30ギリプラダクシナ(アルナーチャラ徒歩一周)に出かける。

実は、今日でもう4回目。足の裏も体全体も慣れてきて、初回の翌日は「役に立たない体」になってたけれど、今はそうでもない。

「歩く」ってすごく体を作るんだな…と初めて知った。

まあ、これまでに13.5㎞を裸足で日常的に歩くってなかったしなぁ(笑)

で、一番大好きなことは…11㎞歩いたら、大寺院に行けること。このゴープラム見上げていると、本当に嬉しくなります。


そして、大寺院の向こうに見えるアルナーチャラは本当に素敵で、いつまでも見ていたくなります。

 そして、まだあります、ここでは「インド象の祝福」がもらえるのです!!


ある朝大寺院にやっとたどり着いた時、ちょうど!"象様のご出勤"が。

 私の横20㎝隣をインド象が悠々と歩いて行きました・・ときめきましたね~。

体高3メートルほど。大きな体、可愛いしっぽ、厚い皮膚、でっかい~ヽ(´ー`)ノ


そしてその象様と象使いのおじさんは定位置に。

私も、1ルピーコインを握りしめ巨大な象様の前に立つと、象様は長い鼻の先を出して来ます。その鼻の穴にコインを入れると、スッと鼻を持ち上げて頭を優しくなでてくれるのですヽ(≧▽≦)/

それが「ガネーシャ(象神様)の祝福」。


「いい大人が…」と言われようが、「象もかわいそうに…」と若干心をよぎっても、譲れない、誰にもとめられない気持ちというのがあるのです(笑)

後は少し離れてしばらく象様を見つめます。

見れば見るほど、どうしてこういう形になったのか不思議を感じる「長い鼻」。太古からの叡智を全て貯えているような盛り上がった「額」。

そして、どこまでも優しく全部見透かしているような、巨体すぎる体には小さすぎる「瞳」。

なぜインドは、象を神様にしてしまいたくなったのか…わかる気がします。


そんな興奮とときめきで、最後またラストウォーキングに挑めるのです。

13.5㎞ 時計周りにアルナーチャラはいつも右手側にいて、疲れたら振り仰ぎ、励まされながら進みます。

幼い時に親が小さい自分と手をつないで歩いてくれた…あんな懐かしさと慈しみ。

いろんな気持ちを抱えながら…不安になっては時たま親の顔を仰ぎ見てホッとしてまた歩き出す…。


きっと神様は私達を見下ろして「本当に面白いなぁ」…と笑っている気がします。

いつまでたっても人間は「危なっかしいよちよち歩き」かもしれませんね(笑)


 

 

 

 

 

 

 

2011-08-16


 

 

今日はギリプラダクシナの日

朝4時過ぎに目覚めたら、昨夜雨だったらしく外は寒そうだ。

おまけに真っ暗。

 (えー(>_<)雨だったら今日止めようかな~‥)

 雨は降ってない…が、寒いし暗いしなぁ~…

ウダウダしながら、大ホールまでは行ってみる


まだ決めきれず、ひとしきりただ座って静けさを味わっていたが、

 (やっぱり行こ)

5時に出発、今日は9回目。


山の周り13・5㎞をただ歩くことに、まさかこんなにハマるとは思わなかった。

まだ月が輝く闇夜が、ちょうどアルナーチャラの山の向こう側から

濃紺、灰色がかった蒼、白…やがて爽やかブルーへと徐々に変わる。

「今日」を迎える空の準備だ。


カズコさんもミホさんも去ってしまい、

自分のギアを思いっきりシフトダウンすることにした。

言葉を喋ることも億劫なくらい、とことんゆっくり過ごす。

プチ引きこもりだ。


気がつけば、ここの滞在もあと一週間をきった。

始めの頃に「1ヶ月も何してるんだろーなー」なんて思ってたのが、

あっという間だ。

だからこそ、今、「ここでしかできないこと」をすると決めた。

でも、そこまでスピードを落として

初めて、聞こえた音 初めて、見えたもの

それがとても豊かなものだと気づく。

そう気付かせてくれたカズコさんとミホさんに感謝。


今朝も歩いていた・・山が朝日を受けて輝いている。


来週の今日はもうここにはいないんだ…

そう思えば、一生の内だって、

もうこの瞬間の風景とこの想いの自分には、絶対に逢えない。

 一日って、奇跡のような瞬間が積み重なってできてるんだ…

幸せな気持ちがあふれてくる。


それだというのに最後、町場に入った時、インドのお母ちゃんたちの後ろを歩けば、

 まだ私の歩く速度が速いことを知る。

 (まだ速いんかいっあせる) 心の中で苦笑。


「あわてなさんな」

 それがインドからのメッセージのように聞こえて、お母ちゃん達に倣ってさらにゆっくり歩いた。


言葉の会話はしなくても、あらゆるものとまだまだ交わすことがある。


 

 

2011-08-21


 

11回目


アルナーチャラの山を時計周りに裸足で一周歩く13.5㎞の小さな巡礼、今日は余計にゆっくり楽しむと決めた。山をいつもより多く立ち止まって眺める。


そして…もうちょっとだけ。

ずっと気になってたものにトライすることにした、ひとつは…「ココナッツ(椰子)を食べること」。いつも歩くそばでいろんな人が食べてるのを見てきた・・私もする!!

 小さなココナッツは中のジュースも程よい量だ。それを飲み干すと、次は殻をふたつに割って中の白い実の部分を食べさせてくれる。プリプリプルルンとした真っ白な実・・へぇ~、こんな味だったんだ。

そしてもう一つは、大寺院のそばの屋台の「スイーツを食べる」こと。ベジタリアンでも食べられる、卵を使ってない、牛乳クリームたっぷりのミルフィーユ。


インド人の誰かが言ってた、

「神様はちっちゃなことなんか言わない。まず、"人生を楽しめ!"そう言ってるよ」

その言葉を都合よく思い出し、ならばこの小さな巡礼の旅も真面目に歩くばかりが王道じゃない!…と勝手に考える。

はあ~ ケーキみたいなのは、日本を離れて以来です、幸せ~!


そして、最後まで歩く。

この山が大好きだ、理由なくそう思う。

 また会いに来る! そう思えるから淋しくない!!

 


 

 

・・・以上はM・Mさんのブログ「ペガサスのぺ」よりサイト管理人の任意による抜粋引用

 

 

 

次ページ(実践体験・Part3)に続く

 

 

 

 

←目次に戻る

 

前の記事に戻る→ ←次の記事に進む