ビルパクシャ・ケーヴとその前後
スカンダ・アシュラムから山道を下っていくとビルパクシャ・ケーヴ(洞窟)があります。
アルナーチャラにやってきたバガヴァンは3年間はあちこちの寺院の境内などを転々としますが、1899年2月ごろからこの洞窟に定住するようになりました。ただし酷暑季には沢の水が枯れてしまうことと暑さが厳しすぎることもあり、別の場所(マンゴートゥリー・ケーヴ)に居住していました。
ここは伝説では聖者ビルパクシャが住んでいた・・・とされ、彼が臨終を迎える際のエピソードとして、「アルナーチャラに遺体を埋葬してはならない」という掟のため、弟子達が事後の段取りをどうしたらいいか心配していたのを聞きつけた聖者ビルパクシャが、「では数日間待っていてくれ」と人払いして一人で洞窟内に残った・・数日後に中の様子を弟子達が覘いたところ人の形をした灰が残っていた・・・と伝えられています。
で、年月が経過してすっかり崩れ去っていた灰?をバガヴァンがリンガムの形に作り直して安置された・・そうです。
次第に信奉者たちもこの洞窟に参集してくるようになり、サットサンガが形成されていきます。最初の書物である「私は誰か?」などや、アルナーチャラ賛歌である「アルナーチャラ・アクシャラ・マナ・マリ」など多くの作品、とりわけ詩歌などの大半はここに居住されているころのものです。
前のファイルで紹介したスカンダ・アシュラムに移るまで約17年間をバガヴァンはここで過ごされていました。
現在もラマナ・アシュラムの管理下にあり、朝8時から晩5時まで誰でも自由に出入りし、瞑想することが出来ます。
洞窟内はかなり音が響くので、沈黙・静寂を遵守してください。
この洞窟は「アルナーチャラの腹」などと呼ばれたりもして、一歩その中に入るとかなり強力な「瞑想空間」です。ここが気に入って通い詰めている信奉者も少なくありません。ただし「あまりにエネルギーが強すぎる」と感じる人もあるようです(実は私もその一人で、うっかりすると「自発動功」が起きてしまったりします)。
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写真左側の石段がスカンダ・アシュラムから降りてくる石段。 この沢に出ます。この沢は雨季だけのもので乾季・酷暑季には水は流れていません。 この沢伝いに山頂へ登るルートがあります。 |
この沢はそのままヴィルパクシャ・ケーヴの方に続きます。 足元が危ないので十分注意してください。 |
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沢を渡り更に下っていきます、眼下に見えるのはアルナチャレシュワラ寺院。 雨季ですと棘の多い植物が繁殖しますので、服が引っかかって破れたり身体に傷をこさえたりしないように十分注意してください。 |
スカンダ・アシュラムからケーヴまではそんなに離れていません(5〜7分位です)。下り道が一度右に曲がってすぐ左へ切り返すクランクになっているところの大岩の右側が、実はケーヴの入り口です。 時々それに気づかず左へ曲がって下ってしまう方がいますのでご注意を(笑)!! |
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ビルパクシャ・ケーヴの入り口です。 開門時間は朝8時〜晩5時となっています。 |
建物の様子。後ろの大岩の中がケーヴ、手前は前室とでもいうのでしょうか? 話し声が中に響いてしまうので、外であってもおしゃべりの音量には十分注意してください! |
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前室の内部の様子です。左側がケーヴ本体の入り口。 |
洞窟内は暗いので目が慣れてくるのにやや時間がかかります。 中央にリンガムが安置されています。 リンガムの周囲の一段高くなっているスペースにも座り込んでも構いません。 |
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リンガムのアップ。 聖者ビルパクシャの遺体の灰・・・とされていたものを、バガヴァンがリンガムの形に整えた・・・と謂われています。 |
洞窟内部の様子。大変強力・濃密な瞑想空間です。 写真撮影も可能ですが、間違ってもフラッシュを炊かないこと!! シャッター音も響きますから、よほどの機会に恵まれない限り撮影は控える方が無難でしょう。 |
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庭から見たアルナーチャラの斜面。この下に先ほどの沢が流れています。 雨季ですとこの沢のせせらぎの音が、ヴィルパクシャ・ケーヴの内側でも反響して聞こえてきます。 |
門からの風景。 ここを下って歩くとそのままアルナチャレシュワラ寺院の北西の角に出ます。 |
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下り道(結構勾配があります)から振り返って見るアルナーチャラの山頂。 |
道が平坦になってきたら、後数分歩くと民家の密集する辺りを抜けて寺院の角に出ます。 |
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