「真理のみ」 (原題 「THE TRUTH IS」)

 

~SRI H.W.L.POONJA

崎山綾子翻訳

 

 

 

第13章 自由 ☆Part3

(サイト管理者より・・・・画面構成の都合上、章全体を複数ページに分割して掲載します。用語解説は各ページ末に収録)

☆Part1 ☆Part2

 

 

 

前ページ(Part2)からの続き・・・・

 

 

 

愛:彼方から彼方へ


自由とは誰も知らない何かが始まるということだ。
サットサンガには終りがない。
測り知れない至福が常に湧き上がってくる。

「私は存在―意識―至福だ」という揺るぎない確信を得ることが教えの終焉だ。
しかしこの彼方に神聖な秘密がある。
この神聖な秘密は密かに尋ねられ
神々しくそれに従わねばならない。

絶え間なく源泉に行き続けなさい。
源泉にさえ着地しないことだ。
まだ彼方がある、
限りなく深みに進みなさい。

平和ー気づき-至福から最後の半歩を踏み出しなさい、
そこにはマインドの彼方に息づく神秘が・・・。

 

 

Q:発展の最後のステージいるあなたにとってまだ進歩がありますか?


 

 これは非常に良い質問だ。「これが最後のステージで全てが終わった。これ以降は経験すべき発展も進歩もない」これが多くの悟った人が述べたことだ。

 どの本にも書かれていないが、私はこの方面でまだ何か展開すべきことがあると信じている。理解には終りがない。完璧に最終の実現をした後でも純粋な意図がある限り、まだ成されるべき何かがある。

 それについて話したことはないし今も話さないが。それは知的な把握を超えているので、それを知っている人は表現することは出来ない。私はそれが何か言いたいのだ。

 クリシュナがアルジュナに言ったようにそれは神聖な秘密だ。

 「あなたに授けるこの知識は神聖な知識だ。他の誰かに告げられるべきものではない。」


 私には神秘が非常に神聖で秘密だということが分かる。それは言葉では言い表せない。私はそれを隠しているのではない、ただ話せないのだ。おそらく話すときが来るかもしれない。たとえその時が来ても誰も理解することはできないだろう。

 

 

Q:神秘について何か話していただけますか?


 

 神秘について話すことができたとしたらそれは神秘であるはずがない。それはミステリーではなくヒストリーだ。この叡智は何か誰も知らない。そこに行った人々は二度と戻ってこないからだ。

 

 

Q:神秘は真我を超えているのですか?


そうだ。

 

 

Q:愛とは何か知りたくて仕方がありません。


 

 この愛に対する熱望が100%充分ではないので、愛に関する質問が起こってくるのだ。河の水面から頭が突き出しているときだけ話すことが出来る。頭を愛の河に沈めたまま話そうとしてごらん。話せるかね?

 話すときは頭がいつも河の水面から突き出て河の両岸にいる人々に話しているのだ。頭が完全に愛の河に沈み込めば、愛について質問することはない。


   愛は身体の毛穴を通じてそれ自体で話す。
   口を開けて離す必要はない。
   愛には言葉がない。
   愛について話すことや経験することができるものは愛ではない。
   考えや饒舌は哲学で愛ではない。

   愛すると愛になる。
   誰が誰に話すというのか?
   ただ見つめてごらん、すると愛が起こる。
   全てが偽りだ、人工的だ、愛以外の全てが。

   愛するとどのように愛するかが分かる。
   分からないというのなら愛ではない。
   愛は内からひとりでにやってくる。
   それを妨げることは出来ない。
   愛があるとき残りの全てが終わりだ。
   他のものに対する執着は落ちる。
   愛だけが、愛することだけが存在する。

   時間がかかるというのは延期していることだ、
   愛のほかに興味があるのだ。
   愛は自発的でハートの住人だ。
 


 

Q:「私である」私が宇宙の踊り手に見えます。ありがとうございます。
     

 

 私はこの経験を祝福しよう、実際にはそれは経験ではないが。これはここで起こって、あなたは真理への最後のステップに入る。これがあなたの人生の目的だ。

 真理を実現した後は全てを目撃する。良い悪いの判断はない。全てがゲームだと悟る。もし誰かがキスするならOK。誰かがあなたを打ったなら、彼の手が傷つかなかったか確かめなさい。


 昔、ある聖人がいて、水を飲むために川に降りて行った。川の中にサソリが押し流されているのに気づいて、助けようと手を差し伸べたら指を噛まれた。サソリに噛まれるとそれは痛いものだ。

 それでも彼は何度もサソリを助けようと試みて、その度に指を噛まれた。これを近くで見ていた人が聖人に尋ねた。

 「あなたを噛もうとしているサソリをなぜ助けようとしているのですか?」

 聖人が言うには、「習性である噛むことをサソリがやめないのに、なせ私の奉仕の習性をやめるべきかね?」


 だから、演じるには難しいゲームであるかも知れない。あなたに噛みつく多くのサソリはいるし、うじ虫が餌になるあなたを待っている。死があなたを待っている。

 だから、あなたの息が続く限りこのゲームを演じなさい。まわりで起こっていることを全て目撃していなさい。そうするとあなたは賢人だ。

 

 

Q:パパジ、私は内なる家にいつも永遠にいます。かって離れたことがないものに入るのは不可能だし、入ったことがないものから離れるのは不可能です。広大な動かない平和があるだけです。


 

 説明することはできないが、ある種の「熱望」がいつも、いまだに底流を流れている。悟りの前にも後にもこの「熱望」は存在し続ける。しかし、無知が叡智に対して持つ「熱望」ではない。

 「叡智を獲得したら全ては終わりだ、これ以上の経験はない」とある人達は言うが、「それ」は測り知れないものだから、いまだに「それ」に向かって行こうとする動きを私は感じている。

 あなたは「それ」そのものであるが、しかも、あなたを愛にもっと近くもっと深く連れて行こうとする力がその底で働いている。あなたはこの経験をしたのだから分かると思うが、「それ」には終わりがない。しかし、それについては説明することができない。

 「それ」が測り知れないなら、この愛の過程もまた測り知ることなく決して終わることはない。それは河が海に流れ込むようなものだ、ただ広がり続けて、海と河という関係は無くなる。そして、海の底から海の表面へと動き続ける!!(笑)

 

 

Q:無の中で愛はもっと深まるように思われます。


 

 無の中には愛も美もないという人がいる。この手の学派にいる人は「無とは全く何もないことだ」と言うが、これは私の経験ではない。


  底知れぬ無。
  無のまさにそのセンター、
  奥深い無に到着くすると、そこに愛と美が・・・・
  それはとても美しい。

 

 

Q:パパジ、私達一人一人に与えて下さったものに、心の底から感謝します。

 あなたの人生、時間、身体を完全に明け渡して、私達に必要な全てを与える為に献身して下さった。

 あなたは本当の降伏、献身、慈悲とは何かを示して下さった。あなたの臨在と知恵に溢れた言葉で、真の知識を私達に明らかにし、平和を与えて下さった。

 あなたの日常生活の中に私達を招待して下さって、どのように巧みにこの世界で生きて行くかを教えて下さった。

 あなたのハートに私達を永遠に取り込み、私達を言いようもない至福に満ちた愛に溺れさせて下さった。

 本当に有り難うございます。パパジ、あなたの愛が私達をその中に溶かして行く、この愛は一体何ですか? 私達は心からあなたを愛しています。信じられない位愛しています。(跪いて、マスターの足にキスをする)


 

  愛には愛の中に絶え間なく引きずりこむ、測り知れない力がある、
  真我は真我の中に永遠に広がって行く底力を持っている。
  無の深さ、これがどのように私が愛を経験しているかだ。
  この測り知れなさに入って行けば行く程、
  もっと吸引され、魅せられ、その中に溶けて行く。
  この美しさが魅了し続ける
  その中に深く行けば行く程、一瞬ごとにもっともっと愛の中に入って行く、
  この一瞬は純粋の愛、永遠の愛だ、
  全てが愛、全てがこの愛だ、逃げ道はない。

  愛は真我、理解は必要ない、完璧だ。
  愛以外には何もない、それは歓喜の源。

  「ここ」、「ここ」に愛の秘密が、さあこれをあげよう。


  まず、愛しなさい、
  それから話しなさい。
  愛を話すのに頭は必要ない、ハートだけだ。
  このハートの中では家に戻る為の地図は必要ない。
  あなたはすでに家にいるのだから。
  この愛の中で「ここ」にいることが最も簡単なことだ。
  他の全ては努力だ。
  全ての考えを取り除くこと、これが愛だ。

  愛、ハート、この瞬間が真理。
  この愛を見るには、愛で全てを見ることだ。
  ハートから見るとハートだけが見える。
  エゴから見るとエゴが見える。
  この瞬間の愛は「私」にも「あなた」にも属さない。
  だから、私は愛の中にいる。
  マインドはノーマインドの時、それはハート。
  ハートは、真我は、アートマンは、無。

  バラは沈黙して人を引きつける。
  愛の中にいる人はその美しさで輝く。
  愛を貯めておくことができないなら、全てに全てを与えなさい。
  愛はいつも泉のように満ちて来る。
  全てを愛し、何があろうとも、全てを愛しなさい。
  これが全ての戦いに勝つ秘訣だ。

  愛はいつもあなたを愛している。
  この愛なしに呼吸はできない。
  この愛なしに生きることはできない。
  あなたはこの愛、あなたは「それ」だ。

  ただ、静かにしてそのように居なさい。

 

 

第13章 自由 終了  

 

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