アルナーチャラ通信 第1号 (10.Dec.2012)
「ディーパムの祭り」
崎山綾子 寄稿
<カールティケイ ディーパムとは>
タミル暦のカールティケイ(星の名前)月(11月中頃―12月中頃)の満月の日にランプで祝うお祭りのこと。
古事によるとシヴァ神が光の柱になって現れたという伝説に基づいている。
ビシュヌ神とブラフマー神の間でどちらが偉大かという口論が生じた。シヴァ神が仲に入って口論を治めようとコンテストを行った。シヴァ神が巨大な火の柱として現れ、この火の先端か下端を見つけたものが選りすぐれた者だと二人に告げた。
ビシュヌ神は猪の姿をとって地下深く掘り続ける。ブラフマー神は白鳥の姿をとって空高く舞い上がる。何世紀が過ぎても彼らは目的を達することができない。
ビシュヌ神は掘るのをあきらめて、地下深くいる所で瞑想に入った。謙虚に自分の非を認め“火の柱”はまさに覚醒の光で、世界や時間を超え、理解を超えていると悟った。
誇り高いブラフマー神は星々を超えて飛び続けるうちに、シヴァ神を騙そうと計画を立てる。空高くから落ちてきた松の花を掴んで、これをシヴァ神に見せて火の柱の先端から取ってきたものだと告げた。
シヴァ神は嘘をついたブラフマー神を懲らしめるために彼の名前がつけられた寺院は決して建立できないと宣言を下した。どちらにしても、二神とも火の柱の両端を発見することはできなかった。二神は謙虚に許しを請うた。
その間、火の柱は壮麗に輝き、その光を見た人は目を開けていることができないので、二神は地球の人々や天上の人々がその火を崇拝することができるように火を小さくしてください、そして、その光で人々が幻想の暗闇から解放されますようにとシヴァ神に懇願した。
シヴァ神はこれを受け入れて、“毎年、カールティケイ月にアルナーチャラの丘の頂上に火(かがり火)の姿になって私は現れる。この火を見て瞑想する人は偉大な光をその人自身の中に見つけるだろう。”と宣言した。
<10日間の夢のような出来事>
アルナーチャレーシュワラは毎夜、輿にかつがれて寺院から大通りに出てこられます。ガネーシャ神、女神ウンナーマライ、ムルガ神、チャンディヶーシュワラ神も一緒に出てこられます。その後、この5神が毎夜違った乗り物に乗られて広大な寺院を一周されます。乗り物とは雄牛、トラ、ライオン、馬、ゴールデンチャリオット、ラタム等々です。10日目の夜6時、丘の頂上に火がともり、祭りが終わります。その後2週間、毎夜かがり火(ディーパム)は燈り続けます。
<私のディーパム>
私にとって今年は12回目のディーパムですが毎年この祭りへの私の熱情は絶えることはありません。10日間のアルナーチャラを愛する人々の熱気と興奮は世界中どこを探しても見つけられないでしょう。
この小さな町全体が何十万という人たちで埋め尽くされます。町の住民はもとより他の州から人々は流れ込んで、寺院周辺の交通は完全に遮断されます。今年は一万人の警官が配備されましたが極端に凝縮された目に見えないエネルギーをどのようにコントロールすることができるでしょうか?
祭りのハイライトであるラタム(山車)のダルシャンに勇敢にも一人で出かけました。この山車は5階建ての高さで、アルナーチャレーシュワラ神がその中に座っておられます。この山車を何万人もの人たちがアローハラ!アローハラ!と叫びながら神への崇拝をこめて鎖を引っぱって動かすのです。そして町の真ん中にある広大な寺院の周りを一日かけて一周するのです。
幸運にも私の目の前にラタムがやって来て止まりました。私の目はアルナーチャレーシュワラ神に釘付けにされました。アルナーチャレーシュワラ神がこの群衆の中で私だけを見ているといった方がぴったりです。私の意識はこの瞬間空中に舞い上がり至福のうちに涙するのです。
ああ!!壮観とはこのことを言うのでしょうか、何十万という群衆、その中にそびえ立つラタム、それらすべてを見下ろしているアルナーチャラの丘。群衆にもまれて身動き一つできない私は、屋上からラタムに降りそそがれる祝福の花びらや降り出した恩寵の小雨のなかで、”SO BEAUTIFULL!!“と叫んでいるのです。
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